建具(たてぐ)とは開け閉めが出来る部屋の開口部のことを言います。建具は大きく2つに分けることができ、玄関や窓サッシに代表される「外部建具」、部屋の中のドアや引戸などの「内部建具」とあります。昔は、町には建具屋さんと呼ばれる職人さんが、一枚一枚手作りで作っていましたが、近年は、メーカー品の建具が広く出回っています。一般の住宅やマンションで使われている建具はラミネート建具と呼ばれる、合板の下地に様々なデザインのシートを貼った建具が主流となっています。
内部建具は部屋のイメージが決まる重要な部材です。最近は沢山の色やデザインの中から選べる利点はあるものの、マスプロダクト然としたラミネート建具から、本物の木の良さを求められる方が増えてきました。
無垢の建具は多くのラミネート建具とは違い、中が空洞ではなく、天然の木の板を組み合わせて作られています。開け閉めに多少の重みを感じますが、その重厚感を大切にされる方も多いようです。素材は杉や檜、パインなど色々です。木の良さをそのまま生かす自然塗装や汚れがつきにくいウレタン塗装があり、塗装の仕方によっても全く違う雰囲気に仕上がります。
■無垢建具のメリット
(1)高い調湿効果
ウレタン塗装の無垢建具の調湿効果はラミネート建具の3倍あると言われます。自然塗装の無垢の建具は実に7倍もの調湿効果があります。
(2)経年変化による味わい
ラミネート建具は、経年するとどうしても、傷は傷、色あせは色あせとして感じ「古くなったな~」という印象があります。反して無垢建具は、傷もシミも色むらもすべて「味わい」と感じることができるでしょう。手垢ですら、我が家の歴史を感じさせてくれるのです。
(3)シックハウス対策
天然の木の板を組み合わせて作りますので、シックハウスの心配が少なくなります。
(4)DIYで補修可能
浅い傷であれば紙やすり等でDIYによる補修が可能です。傷を我慢するのではなく、傷と上手に付き合いましょう!
■無垢建具のデメリット
(1)木目が均一でない
デメリットではなく、これこそ同じものがない自然素材のメリットなのかも知れませんが、天然の木の木目なので、同じ品物がありません。サンプルやカタログで見られた木目と同じものはまずありません。中には印象が異なるものもあります。
(2)反りや割れが出る場合がある。
湿度を吸ったり、吐いたり、呼吸をするのが天然の木です。それゆえ気温、湿度の影響を受けやすく、その結果、反りや割れがでる場合があります。それも自然素材だからと暖かい目で見ることができれば、味わいと言えます。
(3)ラミネート建具に比べて高価
合板にラミネートとしたマスプロダクト製品に対し、一品一品が異なる顔を持つ無垢の建具はその分、割高になります。ただ、経年の変化を楽しむ楽しみはずっと続きます。初期費用を高いと見るか、長い期間楽しめるから安いと見るかによって、高い安いの価値が異なります。
(4)メンテナンスが必要
ラミネート建具に比べて、無垢建具はお手入れが必要です。1年に数回オイルやワックスでお手入れをして戴くと、飴色に変わる経年変化を楽しめます。メンテナンスが楽しいと思うとそれはメリットと言えます。
サッシはアルミだけではありません。木のサッシもあります。外窓をアルミサッシにし、内窓を木にするとより木のサッシの特長が発揮されます。
■木のサッシの特長
(1)高い遮音性
木製サッシは、遮音性にも優れているので、 交通量の多い都市部でも外部の騒音の侵入を防いで静かな居住環境を確保します。
(2)快適性
屋外の冷気と室内の暖気をしっかり遮断するので、結露が起きにくくなります。木が室内の湿度を調節するという効果もあり、通常の内窓より快適度が上がります。
(3)省エネ
木は、アルミや樹脂より熱を伝えにくく、内窓の断熱性を更に高めます。
■木の種類
(1)パイン
松(赤松)のことです。やわらかい針葉樹なので、加工や傷の修復がしやすい反面、傷がつきやすく、衝撃でへこんだりします。しかし、その柔らかさが温かい印象を与えてくれます。断熱、遮音、調湿、光を吸収し、快適な住空間を作ってくれます。また、松ヤニと言われる樹脂成分を含んでいるので、耐久性に優れています。
(2)桐
落葉広葉樹です。桐は古くから良質の木材として使われており、桐タンスや箏(こと)の材料となっていました。桐は成長が早く自然環境に優しい素材です。昔は娘が産まれたら庭に桐を植え、嫁に行く時にタンスとして持たせたと言われました。調湿作用、空気清浄作用に優れ、断熱・保温効果もあるので建具としては最適です。この他「弾力性」、「復元性」、「軽量性」、「防腐・抗菌性」などに優れた性能をもつスーパー建材です。
(3)タモ
特に弾力性に富むのでエレキギター、バット、ラケットなどの楽器材や運動具材によく使用されています。粘りがあり、強度も高く、乾燥によるひび割れも少ない比較的強い素材です。年輪がはっきりして、木目が美しい事でも有名です。
(4)樺桜
とても硬く、傷付きにくく、耐摩耗性に優れています。柔らかな木目と清潔感のある白い色調が特長で、洋風・和風のどちらにも合います。また、壁や家具とも合わせやすいことも樺桜の特徴です。光の当たる方向によって木目模様が変化し、水面の輝きを見るように楽しめます。
(5)西南桜
カバ桜やナラに比べて薄いピンク色が特徴です。全体に柔らかいソフトな印象を受けるでしょう。色調や木目はバーチ(注)とよく似ています。 おとなしめの木肌や木目で、材質は中堅ですが木肌や色合いが、柔らかく、明るい仕上がりを感じると思います。 (注)主に寒冷地に生育する樹木で、カバノキ科の広葉樹などのことです。
(6)紅桜
ナラと並び人気が高いのがこの材木です。「サクラ」の特徴である薄いピンクが人気です。木目が優しく温かみをもった桜は明るい居住空間を演出します。
(7)ウォルナット
ウォルナットは直訳すると「くるみ」となりますが、一般的にこげ茶の北米産広葉樹の事をいいます。一番の特徴は、美しい表面の仕上がりと重厚感です。適度な油分を含んでいるので、艶もあり人が触れて使い込んでいく事で味のある風合いになっていき、経年変化と共に味が出てきます。日焼けしやすいので直射日光を避けた方が良いでしょう。
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